飲食店で中古の内装資材(家具・建具・照明・床材・古材など)を使うなら、品目ごとに状態とサイズを確かめ、本体価格ではなく取り付けが終わるまでの「総額」で判断することが、失敗を防ぐいちばんのポイントです。
「安く買えた」と思っても、サイズが合わずに加工が必要になったり、搬入できなかったりすると、作業費や処分費がかさみ、新品より高くつくこともあります。
本稿では、品目別の確認ポイントと、「安く買ったのに高くついた」典型例、総額の考え方、法律上の注意点までを実務目線で解説します。どこで買うかは「中古内装資材はどこで買う?」、古材の選び方は「古材活用と足場板」、価格の目安は「中古内装資材の価格相場」もあわせてご覧ください。
「安く買ったのに高くついた」典型例
総額とは、資材の本体価格に、運搬・搬入・加工や取り付け・処分の費用を足した、取り付けが終わるまでの費用全体のことです。本体の安さだけで決めると、次のような失敗が起こりがちです。
- 搬入できない:入口のドア、エレベーター、廊下の曲がり角の寸法を測らずに大きなソファや一枚板のテーブルを買うと、店内に運び込めないことがあります。吊り上げや分解が必要になると、そのぶん作業費がかかります。
- 数が足りない:中古資材は一点物や在庫限りのものが多く、あとから同じものを買い足せないことがあります。床タイルや壁材を面積ぴったりしか買わないと、切った端の無駄や割れで足りなくなり、別の材料を買い直すことになります。
- 加工や補修の費用がかさむ:古いドアや古材を安く買っても、反りの手直し、枠の造作、古い釘の除去などを大工に頼むと、その工賃で新品より高くつくことがあります。
- 処分の費用がかかる:使えなかった資材や、入れ替えで不要になった古い家具は、家庭ごみとしては出せません。事業で出たごみは、許可を持つ処理業者などに頼んで処分する必要があります(品目によって産業廃棄物か事業系一般廃棄物かが分かれます)。
品目別の確認ポイント
中古資材は、品目によって傷みやすい場所や確かめるべき点が違います。
| 品目 | 起こりやすい不具合 | 買う前に確かめること | 取り付けるときの注意 |
|---|---|---|---|
| イス・テーブル・ソファ | ぐらつき、脚の傷、座面の破れ・色あせ、クッションのへたり | 平らな床に置いて体重をかけ、ぐらつきがないか/脚の下のアジャスターが壊れていないか/生地の破れやクッションの状態 | テーブルの高さとイスの座面の高さが合うか/通路を狭めない大きさか |
| 建具(ドア・引き戸) | 寸法が合わない、反り、蝶番や鍵などの金物の欠け | 高さ・幅・厚みをミリ単位で測る/対角線の長さを測って反りやゆがみを確かめる/ドアノブ・鍵・蝶番が付いているか | 今ある枠に収まるか、枠ごと作り直す必要があるか/開く向き |
| 照明器具 | コードの傷み、ソケットの破損 | コードの被覆の破れや焦げがないか/使える電球の種類と口金のサイズ/PSEマークなどの表示があるか | 配線に直接つなぐタイプは、電気工事士の資格が必要(下記) |
| 床材・タイル | 数量の不足、製造時期の違いによる色の差 | 必要な数より余裕を持って確保する(どれくらい多めにするかは施工する職人に相談)/箱ごとに色の違いがないか | 下地との相性と接着剤の選び方/目地の幅 |
| 古材・一枚板・足場板 | 虫食い、反り、湿気、古い釘やビスの残り | 虫の穴や腐れ・カビがないか/釘が残っていないか/使う場所が内装制限にかからないか(下記) | 切る前に金属を取り除く/湿気による反りを見込んで固定する |
※ 状態の判断が難しいときは、取り付ける職人に写真と寸法を送って相談してください。自分で買った資材を職人に取り付けてもらう方法は「施主支給で職人に取り付けてもらうには?」で解説しています。
照明の取り付けと資格:引掛シーリングやダクトレールに差し込むだけのものは、資格がなくても取り付けられます。壁や天井の配線に直接つなぐタイプは、電気工事士の資格が必要です。
失敗しない「総額」の組み立て方
中古資材で予算を抑えるには、販売価格ではなく、取り付けが終わるまでの総額で比べます。総額は次の5つで考えます。
- 本体価格:資材そのものの代金。
- 運搬費(送料):店から現場までの送料。大型の家具や重い物(一枚板、大量のタイルなど)は送料が高くなることがあります。金額は距離・大きさ・届け先の条件で変わります。
- 搬入費:「車上渡し」(トラックの荷台の上で受け渡す方式)の場合、店内への運び込みや階段の上げ下ろしを頼むと別料金になることがあります。
- 加工・取り付け費:ドアの切り詰め、テーブルの脚の付け替え、棚の取り付け、照明の配線など、職人に頼む作業の費用。
- 処分費:梱包材、加工で出た端材、取り外した古い設備などの処分費用。
厨房など火を使う場所と、防炎物品の決まり
飲食店では、火災に備えて、使える内装材料や布製品に決まりがあります。デザインや価格だけで古材や布製品を選ぶと、検査で指摘を受けて張り替えになることがあります。
- 内装制限(建築基準法):内装制限とは、火災の広がりを防ぐため、壁や天井の仕上げに燃えにくい材料を使うよう定めた建築基準法の決まりです。こんろなど火を使う設備がある部屋(厨房など)は対象になる場合があり、古材や合板をそのまま壁や天井に張れないことがあります。建物の構造や、スプリンクラーなどの設備によって扱いが変わるため、施工前に確認してください。
- 防炎物品(消防法):飲食店で使うカーテン、布製のブラインド、じゅうたんなどは、防炎性能のある「防炎物品」を使う必要があります(出典:総務省消防庁「防炎品」・2026年10月9日確認)。中古のカーテンやラグを使うときは、防炎ラベルが付いているかを確かめます。ソファなどの家具は、防炎物品の対象には含まれていません。
※ 適用の条件は、建物の構造・階数・ビルの規約・地域の条例によって違います。資材を買う前・工事を始める前に、所轄の消防署や自治体の建築の窓口、管理会社に確認してください。
実物を見て買う場合と、通販で買う場合の確かめ方
- 実物を見て買う:質感、色、座り心地、木の反り、においを直接確かめられます。傷の深さは触って確かめ、イスやテーブルは平らな場所に置いてもらって体重をかけてみます。メジャーを持参し、外寸だけでなく脚と脚の間の幅や座面の高さも測ります。トラックで持ち帰れる店なら、送料をかけずに済みます。
- 通販で買う:店に行かずに、多くの在庫から寸法やデザインで探せます。傷や汚れの寄りの写真まで確認し、色は画面によって実物と違って見えることに注意します。寸法(高さ・幅・奥行き・重さ)をミリ単位で確かめ、分からない点(ぐらつき、裏側の傷など)は購入前に問い合わせます。追加の写真を頼めるか相談するのも有効です。
テンポスの中古内装資材
テンポス川口飲食内装資材専門館では、飲食店向けの中古内装資材(イス・テーブル・ソファ・照明・建具・床材・タイル・古材・一枚板・什器など)を、実店舗とオンラインストアで販売しています。買い取った資材は自社工場で点検・清掃・補修してから販売しており、業者・個人を問わずご購入いただけます。
トラックでの積み込みに対応しており(4tまで)、店舗から全国へ配送もできます(大きさ・お届け先によってはご相談)。取り置きの期間は、工事の工程に合わせてご相談ください。返品・交換は原則としてお受けしていないため、購入前の採寸と状態の確認をおすすめします。お困りの場合は、その都度ご相談ください。取り付けを頼む職人のご紹介も可能です(依頼者さまの手数料はかからず、見積もりも無料)。
