オーバーホール済み製品と現状渡し品の工程比較

中古食品機械の販売形態は、整備の工程によって大きく二つに分かれます。
購入後の故障リスクやメンテナンス費用を抑えるためには、二つの違いを正確に把握する必要があります。

比較項目 オーバーホール済み製品(整備済み品) 現状渡し品
分解・洗浄工程 カバーやスクリュー等を分解し、専用アルカリ洗剤と高圧洗浄機で油分を除去した後に消毒処理(※1) 外装の拭き掃除のみを実施
部品交換 異音のあるベアリングや亀裂の入ったフタ用ゴムパッキンなどの消耗品を新品に交換 部品交換は行わず引き取った状態を維持
安全・動作テスト 絶縁抵抗計で1MΩ以上を確認し、連続2時間以上の負荷運転テストを通過 数分間の無負荷での通電確認のみを実施
導入後の保証 機器種別や年式に応じた自社動作保証(最長6ヶ月・要保証規定確認※2)が付帯 保証なし(初期不良の自己責任リスク)

※1:テンポス川口(C館)整備ピットでの標準洗浄工程です。
※2:機器の年式や状態によって保証期間が異なります。具体的な適用条件は店舗スタッフへご確認ください。

中古食品機械の購入前に確認すべき4つの実機点検箇所

現地で中古実機をチェックする際、目視と稼働音で状態を見極めるポイントが存在します。
以下の点検項目を確認することで製品の隠れた劣化を察知できます。

1. モーターと回転駆動部の異音および振動

機器を稼働させた際、「シャー」「ゴトゴト」という金属摩擦音が聞こえる場合は注意が必要です。
ベアリングや駆動ベルトが劣化しており、近いうちに焼き付きや停止を起こす可能性を示しています。

2. 絶縁抵抗計による漏電リスクの数値測定

見た目が綺麗な機器であっても、水回りでの使用により内部配線の絶縁が低下している場合があります。
絶縁抵抗計(メガテスター)で測定し、対地電圧150V以下の機器で0.1MΩ未満(テンポス川口基準:1MΩ以上推奨)を示す個体は、設置後に漏電遮断器が落ちる原因になります。

3. 刃物やスクリューなど加工部の摩耗状態

ミートスライサーやミートチョッパーでは、刃先の目こぼれや摩耗具合を確認します。
刃が劣化していると食材の断面が荒れ、摩耗粉が食品へ混入する原因になります。

4. 密閉ゴムパッキンの硬化と亀裂

真空包装機や業務用冷蔵庫の扉周りに使われているゴムパッキンの弾力を確認します。
パッキンが硬化してスキマが生じると、真空度の低下や冷気漏れによる電気代の増大を招きます。

中古機導入で後悔しないための選定チェックリスト

機器の選定時に活用できる確認項目を一覧にまとめました。

確認カテゴリー 点検チェック内容 確認する理由
年式・部品保持 製造銘板の年式がメーカーの補修用パーツ保有期間内(目安:製造終了から8年以内)か メーカーの部品保有期間を超えていると故障時に修理不能になるため
電源仕様 単相100Vまたは三相200Vの電圧が店舗設備と一致しているか 配線工事の追加費用発生や電源容量不足を防ぐため
周波数 50Hz(東日本)または60Hz(西日本)の周波数が適合しているか 異なる周波数で使用するとモーターの加熱や故障の原因になるため
サポート体制 購入店舗に初期不良保証や緊急時の代替機対応があるか 営業中の機材トラブルによる店舗休業リスクを回避するため

中古食品機械の選定に関するよくある質問

Q1:メーカーのサポート期間が切れた古い中古機を買っても問題ありませんか?

回答:製造から10年以上経過した製品は購入を控えることを推奨します。
多くのメーカーは製造終了から8年程度で補修用性能部品の供給を終了します。
トラブルが発生した際に部品調達ができず、修理が不可能になって廃棄せざるを得ない事態に陥ります。

Q2:オークションや個人売買で購入した現状渡し品を後から整備してもらえますか?

回答:他店や個人売買で購入された機器の個別整備対応は原則お断りしています。
内部の破損状態や過去の改修履歴が不明であるため、安全性の担保が困難になるからです。
購入時に分解整備と動作保証がセットになっている信頼できる専門店での選定をおすすめします。