飲食店の原価率・FL比率の管理術|利益を残す数字の見方

📌 この記事でわかること
  • 飲食店経営の最重要指標「原価率」と「FL比率」の意味
  • 適正な数値の目安と計算方法
  • 利益を残すための原価・人件費コントロール術
目次
  1. なぜ原価率・FL比率が重要なのか
  2. 原価率とは?目安と計算方法
  3. FL比率とは?目安と計算方法
  4. 原価率を下げる5つの方法
  5. 人件費をコントロールする方法
  6. よくある質問

飲食店の経営で「なんとなく忙しいのに、お金が残らない」という悩みは非常に多いものです。その原因の多くは、原価率とFL比率という2つの数字を管理できていないことにあります。逆に言えば、この2つを意識して数字でコントロールできれば、利益はしっかり残せます。本記事では、飲食店経営の生命線とも言えるこの指標を、計算方法から改善術まで分かりやすく解説します。

1. なぜ原価率・FL比率が重要なのか

飲食店の経費の中で、特に大きな割合を占めるのが「食材費(Food)」と「人件費(Labor)」です。この2つを合わせた指標がFL比率で、店の利益を左右する最重要数字です。感覚ではなく数字で管理することで、「どこにお金がかかりすぎているか」が明確になり、的確な対策が打てるようになります。

2. 原価率とは?目安と計算方法

原価率とは、売上に対する食材費(原価)の割合です。計算式は次の通りです。

項目 内容
計算式 原価率(%)= 食材費 ÷ 売上 × 100
目安 30%前後
売上100万円・食材費30万円 → 原価率30%

原価率は業態によって異なります。一般的に、居酒屋やバーは低め(28〜32%)、寿司や焼肉など食材原価が高い業態は高め(35〜40%)になる傾向があります。重要なのは、自店の適正値を把握し、それを超えないよう管理することです。

3. FL比率とは?目安と計算方法

FL比率は、食材費(F)と人件費(L)の合計が売上に占める割合です。

項目 内容
計算式 FL比率(%)=(食材費+人件費)÷ 売上 × 100
目安 60%以下
危険ライン 65%を超えると利益が出にくい

FL比率が60%以下に収まっていれば、家賃やその他経費を払っても利益が残せる健全な状態です。逆に65%を超えると、どれだけ売上があっても手元にお金が残りにくくなります。

💡 数字を「見える化」することが第一歩
原価率・FL比率は、毎月計算して記録するだけで経営が大きく変わります。数字が見えれば、「今月は原価率が上がった、なぜか?」と原因を追える。まずは記録する習慣をつけましょう。

4. 原価率を下げる5つの方法

① 仕入れを見直す

複数の業者から相見積もりを取り、品質と価格のバランスが良い仕入れ先を選びます。

② ロス(廃棄)を減らす

仕入れすぎや作りすぎを防ぎ、食材を無駄にしないことが原価率改善に直結します。

③ メニューを絞る

多すぎるメニューは食材の種類が増え、ロスの原因に。看板メニューに集中しましょう。

④ 価格設定を見直す

原価に対して適正な価格になっているか確認。安すぎる価格は利益を圧迫します。

⑤ 歩留まりを意識する

食材を無駄なく使い切る調理法・仕込みを工夫することで、実質的な原価を下げられます。

5. 人件費をコントロールする方法

  • 適正なシフトを組む:暇な時間帯に人を入れすぎない
  • オペレーションを効率化する:少人数でも回る動線・仕組みをつくる
  • 多能工化を進める:一人が複数の業務をこなせるようにする

6. よくある質問

Q. 原価率は低ければ低いほど良いのですか?

A. 一概にそうとは言えません。原価率を下げすぎると、料理の質や満足度が落ち、客離れにつながることがあります。適正なバランスが重要です。

Q. FL比率が高い場合、まず何から手をつけるべきですか?

A. まず原価率と人件費率のどちらが高いかを切り分けます。原因を特定してから、仕入れ見直しやシフト調整など、的を絞った対策を打ちましょう。

損益分岐点も把握しておこう

原価率・FL比率と並んで、経営者が押さえておくべき数字が「損益分岐点売上高」です。これは、利益がゼロになる(赤字でも黒字でもない)売上のラインを指します。この数字を知っていれば、「月にいくら売れば赤字を脱出できるか」が明確になります。

項目 内容
計算式 損益分岐点 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)
固定費 家賃・正社員人件費・リース料など
変動費 食材費・アルバイト人件費など売上に連動するもの

たとえば固定費が月150万円、変動費率が40%の店なら、損益分岐点は250万円。月250万円を超えれば黒字、下回れば赤字ということが分かります。この目標ラインを意識するだけで、日々の営業に明確な指針が生まれます。

固定費の削減も利益に直結する

原価率・人件費の改善に加えて、固定費を下げることも利益を残す有効な手段です。特に大きいのが家賃です。家賃は毎月必ず発生する固定費で、売上に関係なく利益を圧迫します。一般的に、家賃比率は売上の10%以下が理想とされます。これから開業する場合は、居抜き物件で初期費用を抑えつつ、売上予測に対して適正な家賃の物件を選ぶことが、長期的な利益体質をつくる鍵になります。すでに営業中の店でも、リース契約の見直しや光熱費の削減など、固定費を点検することで利益を改善できます。

数字管理が苦手な人へのアドバイス

「数字が苦手だから経営はどんぶり勘定」という飲食店オーナーは少なくありません。しかし、原価率やFL比率は、難しい計算ではなく「割り算」さえできれば管理できます。最初は月に一度、売上・食材費・人件費の3つを記録し、比率を計算するだけで十分です。慣れてきたら週単位、メニュー単位と細かくしていけば、改善のヒントがどんどん見えてきます。今はPOSレジや会計アプリで自動集計できるツールも多く、手間も大幅に減らせます。数字を味方につけることが、感覚頼みの経営から抜け出し、安定して利益を出す店になるための第一歩です。苦手意識を捨て、まずは記録から始めてみましょう。

Q. 原価率の計算は毎日やるべきですか?

A. 最初は月単位で十分です。慣れてきたら週単位で見ると、季節やメニュー変更による変動に早く気づけます。日次は手間がかかるため、まずは無理なく続けられる頻度から始めましょう。

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