飲食店の節税と経費管理|経費にできる費用と節税方法を解説

この記事でわかること
  • 飲食店で経費にできる主な費用
  • 節税につながる具体的な方法
  • 経費管理で失敗しないコツ
目次
  1. 飲食店で経費になる費用
  2. 節税の基本的な考え方
  3. 使える節税方法
  4. 経費管理のコツ
  5. 税理士に頼むべきか
  6. よくある質問

飲食店経営では、売上を伸ばすことと同じくらい「お金を残す」ことが大切です。経費を正しく計上し、使える制度を活用すれば、手元に残る利益は大きく変わります。本記事では、飲食店で経費にできる費用や、合法的な節税方法、経費管理のコツをわかりやすく解説します。

1. 飲食店で経費になる費用

飲食店の経営にかかる費用の多くは、経費として計上できます。代表的なものは次のとおりです。

分類 具体例
仕入れ 食材・飲料・消耗品の仕入れ費用
人件費 従業員の給与・アルバイト代・社会保険料
地代家賃 店舗の家賃・共益費・駐車場代
水道光熱費 電気・ガス・水道料金
広告宣伝費 チラシ・SNS広告・グルメサイト掲載料
減価償却費 厨房機器・内装など高額設備の費用配分

これらを漏れなく計上することが、節税の第一歩です。レシートや領収書は必ず保管し、何のための支出かをメモしておきましょう。

2. 節税の基本的な考え方

節税とは、脱税のように税金をごまかすことではありません。法律で認められた範囲で、税負担を適正に減らすことです。基本は「計上できる経費を漏らさない」「使える控除・制度を活用する」の2つに尽きます。無理な経費の水増しは税務調査で否認され、追徴課税のリスクがあるため絶対に避けましょう。

経費は「事業に必要かどうか」が判断基準
プライベートと事業の両方に関わる支出(自宅兼店舗の家賃や車両費など)は、事業で使った割合だけを経費にできます。これを家事按分といいます。

3. 使える節税方法

  • 青色申告:最大65万円の特別控除が受けられ、赤字の繰越も可能
  • 少額減価償却の特例:30万円未満の備品を一括経費にできる(青色申告者)
  • 小規模企業共済:掛金が全額所得控除になり、退職金代わりにもなる
  • 消費税の簡易課税制度:一定規模以下なら納税事務と負担を軽減できる場合がある

特に個人事業主であれば、青色申告は必ず活用したい制度です。複式簿記での記帳が必要ですが、会計ソフトを使えば手間は大きく減ります。

4. 経費管理のコツ

節税の効果を最大化するには、日々の経費管理が欠かせません。

  • 事業用の銀行口座・クレジットカードを分ける
  • 会計ソフトでレシートを都度記録する
  • 現金支出も必ずメモ・記録に残す

プライベートと事業のお金を分けるだけで、記帳が格段に楽になり、計上漏れも防げます。月末にまとめて処理しようとすると記憶が曖昧になり、経費を取りこぼしがちです。

5. 税理士に頼むべきか

記帳や確定申告は自分でもできますが、売上規模が大きくなったり、消費税の申告が必要になったりすると、税理士に依頼するメリットが大きくなります。専門家の視点で使える節税策を提案してもらえるうえ、本業に集中できる時間も確保できます。顧問料はかかりますが、節税効果や手間の削減を考えれば、十分に元が取れるケースが多いです。

6. よくある質問

Q. 開業前にかかった費用も経費にできますか?

A. はい。開業準備のための費用は「開業費」として計上でき、好きなタイミングで償却できます。物件探しの交通費や、開業前の研修費なども対象になる場合があります。領収書を必ず保管しておきましょう。

Q. まかないは経費になりますか?

A. 従業員に提供するまかないは、一定の条件を満たせば福利厚生費として経費にできます。ただし従業員から一定額以上を徴収するなどの要件があるため、扱いには注意が必要です。

飲食店が特に意識したい節税ポイント

飲食店ならではの節税のポイントもあります。たとえば、厨房機器や什器などの設備は高額になりがちですが、青色申告者であれば30万円未満の備品を一括で経費にできるため、購入のタイミングを利益が出た年に合わせると節税効果が高まります。中古機器を活用すれば、初期投資を抑えつつ必要な設備をそろえられるのも利点です。また、店舗の改装費用や広告宣伝費も、計画的に使うことで利益を圧縮できます。ただし「節税のためだけに不要な支出をする」のは本末転倒です。あくまで事業に必要な投資を、税制を意識して賢く行うという考え方が大切です。

インボイス制度への対応

2023年から始まったインボイス制度は、飲食店経営にも影響します。とくに法人や個人事業主の宴会・接待利用が多い店では、取引先がインボイス(適格請求書)を求めるケースが増えています。課税事業者として登録するか、免税事業者のままでいるかは、客層や売上規模によって有利不利が変わるため、税理士に相談して判断するのが安全です。制度を正しく理解し、自店にとって最適な選択をしましょう。

節税は日々の積み重ね

節税は、特別な裏技ではなく、正しい知識にもとづいた日々の積み重ねです。経費を漏れなく計上し、使える制度を活用し、記帳をこまめに行う。この基本を徹底するだけで、年間の税負担は確実に軽くなります。浮いたお金は設備投資や運転資金に回せ、経営の安定につながります。まずは青色申告と会計ソフトの導入から始めてみましょう。

Q. 領収書はいつまで保管すればよいですか?

A. 個人事業主の場合、帳簿や領収書は原則7年間の保存が義務づけられています。整理して保管しておくと、税務調査の際にもスムーズに対応できます。電子帳簿保存法に対応したアプリでデータ保存する方法もあります。

Q. 売上が少ない年でも青色申告にする意味はありますか?

A. あります。青色申告では赤字を翌年以降3年間繰り越せるため、開業初年度が赤字でも、黒字化した年の税負担を軽くできます。また日々の帳簿づけが習慣になることで、経営状況を数字で把握できるようになる点も大きなメリットです。売上規模にかかわらず、早めに青色申告へ切り替えておくことをおすすめします。届出には期限があるため、開業したら早めに税務署へ青色申告承認申請書を提出しておきましょう。

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