飲食店がデリバリーを導入するメリットと注意点

この記事でわかること

  • 飲食店がデリバリーを導入するメリットと注意点
  • 主要デリバリーサービスの特徴と手数料比較
  • デリバリー向けメニュー設計のポイント
  • デリバリーで利益を出すための原価管理
  • 自前デリバリーとプラットフォーム活用の使い分け
  1. 飲食店のデリバリー活用の現状
  2. 主要デリバリープラットフォームの比較
  3. デリバリー導入のメリット
  4. デリバリー導入の注意点とリスク
  5. デリバリー向けメニュー設計のポイント
  6. デリバリーで利益を出す原価管理
  7. 自前デリバリーとプラットフォームの使い分け
  8. デリバリー運用の効率化
  9. M&A・売却とデリバリー実績の関係
  10. よくある質問

飲食店のデリバリー活用の現状

コロナ禍を経てフードデリバリー市場は急拡大し、現在も安定した需要が続いています。Uber Eats・出前館などのプラットフォームが普及したことで、小規模な個人飲食店でも手軽にデリバリーを始められる環境が整いました。デリバリーはイートインの売上を補完し、時間帯・天候に左右されにくい安定収益チャンネルとして機能します。

主要デリバリープラットフォームの比較

サービス 手数料(目安) 特徴
Uber Eats 注文額の約35% 都市部に強い。ユーザー数が多く注文が入りやすい
出前館 注文額の約10〜35%(プランによる) 国内最大手。地方エリアもカバー
menu 注文額の約10〜35% 手数料が比較的低めのプランあり
Wolt 注文額の約30% 品質管理が厳しく高単価層向け。都市部展開中
自前デリバリー 配送コストのみ 手数料ゼロだが配達員確保・管理が必要
ポイント:プラットフォームの手数料は30〜35%が相場です。イートインと同じ価格で提供すると利益がほぼ出ないため、デリバリー価格はイートインより10〜20%高く設定するのが一般的です。

デリバリー導入のメリット

  • 売上チャンネルの追加:雨天・深夜・平日昼間など来店が少ない時間帯の売上を補完できる
  • 固定費の有効活用:厨房・人件費が稼働していない時間帯にデリバリーを重ねることで固定費回収効率が上がる
  • 新規顧客の獲得:プラットフォームに掲載することでイートインでは来店しない層にリーチできる
  • ブランド認知の拡大:デリバリー経由で知った顧客がイートインに来店するケースも多い

デリバリー導入の注意点とリスク

  • 手数料による利益圧迫:売上の35%が手数料になるため、原価率の高いメニューは赤字になる可能性がある。デリバリー専用の損益計算を必ず行う
  • 品質管理の難しさ:配達中に料理が崩れる・冷める問題。容器選び・梱包方法の工夫が必要
  • オペレーション負荷の増加:イートインとデリバリーを同時にこなすとキッチンが混乱しやすい。ピーク時間帯のキャパシティを事前に確認する
  • クレーム対応の複雑さ:配達中のトラブル(遅延・誤配)のクレームがプラットフォーム経由で店に来ることがある。対応フローを事前に決めておく

デリバリー向けメニュー設計のポイント

  • 運搬に強い料理を選ぶ:汁物・揚げたて料理は品質が落ちやすい。丼物・カレー・焼き料理・ピザなど温度変化に強いメニューが向いている
  • 写真映えを意識する:プラットフォーム上での注文はほぼ写真で決まる。色鮮やかで見映えのする盛り付け・容器選びが重要
  • メニュー数を絞る:デリバリー専用メニューは5〜10品が目安。多すぎると仕込みが複雑になりミスも増える
  • セット・追加サイドの設計:ドリンク・サイドメニューのセット提案で客単価を上げる。デリバリーは追加注文のハードルが低い

デリバリーで利益を出す原価管理

デリバリーの損益構造はイートインと異なります。

項目 イートイン デリバリー
販売価格 1,000円 1,150〜1,200円(10〜20%増)
プラットフォーム手数料 なし 約350〜420円(30〜35%)
容器・梱包費 50〜100円 100〜200円
食材原価 300〜350円 300〜350円(同等)
残る粗利 550〜650円 200〜350円

デリバリーは粗利が薄いため、原価率25%以下のメニューを中心にデリバリーラインナップを組むことが収益化のポイントです。

自前デリバリーとプラットフォームの使い分け

  • プラットフォーム活用:新規顧客獲得・知名度拡大フェーズに最適。配達員の手配不要で手軽に始められる
  • 自前デリバリー:既存の固定客向けに手数料なしで届けたい場合に有効。配達員の確保・管理コストがかかるため、注文数が一定以上になってから検討する
  • ハイブリッド活用:プラットフォームで認知を広げながら、固定客には自前デリバリーや公式LINEからの注文に誘導することで手数料コストを削減できる

デリバリー運用の効率化

  • タブレット管理の一元化:複数プラットフォームに登録している場合は注文管理ツール(Camel・ Orders.co等)で一元管理する
  • ピーク時間帯の受付停止機能:イートインが混む時間帯はデリバリー受付を一時停止して品質を守る
  • 容器・梱包の標準化:容器を種類別に在庫管理し、ピーク前に梱包材を補充するルーティンを作る

M&A・売却とデリバリー実績の関係

デリバリーの安定した売上実績は飲食店のM&A査定においてプラス評価になります。イートイン単独より売上チャンネルが多い店は収益安定性が高いと評価され、売却価格に好影響を与えます。デリバリーの月次売上データは必ず記録・保管しておきましょう。

よくある質問

Q. デリバリーを始めるのに初期費用はかかりますか?

A. Uber Eatsや出前館への登録自体は無料です。ただしデリバリー用の容器・梱包材の初期購入(数万円程度)と、プラットフォームへの初期登録書類の準備が必要です。

Q. デリバリーの手数料が高すぎて利益が出ません。どうすればいいですか?

A. デリバリー価格をイートインより10〜20%高く設定し直すことを検討してください。また、原価率の低いメニュー(揚げ物・丼など)を中心にデリバリーメニューを絞ることで利益率が改善します。

Q. デリバリーとイートインを同時にこなせますか?

A. 始めはランチやディナーのオフピーク時間帯(14〜17時など)に限定してデリバリーを受け付け、オペレーションへの影響を確認してから拡張するのが安全です。

Q. どのプラットフォームから始めるのがいいですか?

A. まずUber Eatsか出前館のどちらか1つから始めることを推奨します。複数同時導入はオペレーションが複雑になります。1つで運用が安定してから2つ目を追加する順序が無難です。

Q. デリバリーの口コミ・評価を上げるにはどうすればいいですか?

A. 梱包の丁寧さ・容器の品質・温度管理が評価に直結します。注文確認後すぐに調理開始してスピードを上げること、容器に一言メッセージカードを添えることも好評です。

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