- 造作譲渡料とは何か、その内訳
- 造作譲渡料の相場と、高すぎるサインの見極め方
- 損をしないための具体的な交渉のコツ
- 造作譲渡料とは何か
- 造作譲渡料の相場
- 高すぎるサインを見極める
- 損しない交渉の4つのコツ
- 契約前に確認すべきこと
- よくある質問
居抜き物件を契約する際に必ず登場するのが「造作譲渡料」です。この金額は決まった定価がなく、交渉次第で大きく変わります。相場感を持たないまま契約すると、本来より数百万円も高く払ってしまうこともあります。本記事では、造作譲渡料の仕組みと相場、そして損をしないための交渉術を解説します。
1. 造作譲渡料とは何か
造作譲渡料とは、前のテナントが設置した内装・厨房設備・什器などを、次のテナントが買い取るために支払う費用のことです。ゼロから内装工事をすれば数百万〜一千万円かかるところを、既存の設備を引き継ぐことで初期費用を抑えられる——これが居抜き物件の最大のメリットです。
譲渡の対象には、厨房機器(コンロ・冷蔵庫・製氷機など)、空調・換気設備、客席のテーブル・椅子、内装・床・壁、看板などが含まれます。何が含まれ、何が含まれないかは物件ごとに異なるため、契約前の確認が欠かせません。
2. 造作譲渡料の相場
造作譲渡料は立地や設備の状態で大きく変動しますが、店舗規模ごとのおおよその目安は次の通りです。
| 店舗規模 | 造作譲渡料の目安 |
|---|---|
| 10坪程度の小型店 | 50万〜150万円 |
| 15〜20坪の中型店 | 150万〜400万円 |
| 30坪以上の大型店 | 400万〜1,000万円 |
同じ規模でも、設備が新しく稼働状態が良ければ高く、老朽化していれば安くなります。ゼロから開業する場合の費用と比べて明らかに割安かどうかを判断基準にしましょう。
3. 高すぎるサインを見極める
次のような場合、提示された造作譲渡料が割高な可能性があります。
- 設備が古く、近いうちに買い替えが必要なのに高額
- 使わない設備まで一式に含めて価格が膨らんでいる
- 同エリア・同規模の他物件より明らかに高い
- 新品で揃えた場合とほとんど変わらない金額
「居抜きだから安い」とは限りません。冷静に内訳を確認し、設備一つひとつの価値を見積もる姿勢が大切です。
4. 損しない交渉の4つのコツ
コツ①:設備の現状確認を徹底する
すべての設備を実際に動かし、故障や劣化がないか確認します。不具合が見つかれば、修理費を理由に減額交渉ができます。
コツ②:複数の物件を比較する
1件だけで判断せず、複数の居抜き物件を比較しましょう。相場観が身につき、交渉でも強気に出られます。
コツ③:「分離」で交渉する
不要な設備は譲渡対象から外してもらい、必要なものだけに絞ると総額を下げられます。一式契約を鵜呑みにしないことが重要です。
コツ④:専門家に査定してもらう
設備の適正価値を把握している専門業者に査定を依頼すれば、提示額が妥当かどうかを客観的に判断できます。交渉の強力な材料になります。
テンポスは厨房機器の買取を年間20万件以上手がけ、設備の適正価値を熟知しています。造作譲渡料が妥当かどうか、無料でアドバイスいたします。
5. 契約前に確認すべきこと
- 譲渡対象に含まれる設備・含まれない設備のリスト
- 各設備の動作確認と、故障時の対応の取り決め
- 貸主の承諾(居抜き譲渡が認められているか)
- 退去時の原状回復義務の範囲
6. よくある質問
Q. 造作譲渡料は値引きできますか?
A. 可能です。設備の状態や不要な設備の分離を理由に交渉できます。専門家の査定があると有利です。
Q. 造作譲渡料に消費税はかかりますか?
A. 前テナントが課税事業者の場合、消費税がかかります。総額で比較するようにしましょう。
造作譲渡料の内訳をチェックしよう
提示された造作譲渡料が妥当かどうかは、内訳を見ると分かります。一式いくら、と提示された場合は、必ず項目ごとの金額を確認しましょう。
| 項目 | 内容 | 評価のポイント |
|---|---|---|
| 厨房設備 | コンロ・冷蔵庫・製氷機など | 年式・稼働状態・買い替え時期 |
| 空調・換気 | エアコン・ダクト | 能力が業態に十分か |
| 内装・造作 | 床・壁・カウンター・客席 | 汚れ・劣化・転用しやすさ |
| 什器・備品 | 食器・調理器具など | 実際に使うものか |
このように分解すると、「この設備は古いから値引きできるはず」「この備品は不要だから外したい」といった交渉材料が見えてきます。
契約・税務で見落としがちな注意点
- 消費税の扱い:前テナントが課税事業者なら消費税がかかります。総額で比較しましょう。
- 減価償却:造作は資産計上され、耐用年数に応じて経費化できます。税理士に相談を。
- 契約書への明記:譲渡対象の設備リストと、引き渡し時の状態を契約書に残すこと。
- 貸主の承諾:居抜き譲渡が契約上認められているか、必ず事前確認を。
造作譲渡料は大きな金額です。「相場より高くないか」「内訳は妥当か」を冷静に見極めることで、開業時の初期費用を数十万〜数百万円単位で抑えられます。
専門家に相談するメリット
居抜き売却や閉店の判断は、一度きりの大きな決断です。だからこそ、経験豊富な専門家の視点が役立ちます。飲食専門の業者に相談すると、次のようなメリットがあります。
- 適正な査定額がわかる:設備・内装・立地を総合的に評価し、相場に基づいた金額を提示してもらえます。
- 買い手探しを任せられる:自力では難しい買い手探しを、専門のネットワークで進めてもらえます。
- 交渉や契約を代行してもらえる:造作譲渡契約や貸主との調整など、煩雑な手続きをサポートしてもらえます。
- 秘密を守って進められる:従業員や取引先に知られる前に、水面下で相談を進められます。
「まだ決めていない」という段階でも、情報を得ておくことで後悔のない判断ができます。相談は無料のことが多いので、まずは気軽に問い合わせてみましょう。
居抜き物件で初期費用を抑える考え方
造作譲渡料は一見すると大きな出費ですが、ゼロから店をつくる場合と比べれば、はるかに割安です。新規に内装工事と厨房設備の導入を行えば、20坪規模でも800万〜1,500万円程度かかることも珍しくありません。一方、居抜きなら造作譲渡料と多少の改装費で済み、初期投資を半分以下に抑えられるケースもあります。さらに、工事期間が短く済むため、開業までの空白期間(家賃だけ発生する期間)を短縮できるのも大きなメリットです。造作譲渡料を「高い出費」と捉えるのではなく、「開業コスト全体を圧縮する投資」として、総額で判断することが賢い選び方です。